延暦寺浄土院十二年籠山満行 

比叡山延暦寺一山観明院 住職

宮本祖豊 師   

昭和35年(1960) 北海道生まれ

昭和59年(1984) 出家得度。

平成  9年(1997) 好相行満行。

平成21年(2009) 十二年籠山行満行。

籠山行とは、元禄年間から続く天台宗の厳しい行の一つであり、伝教大師の御廟である浄土院に籠り、生身の大師に仕えて奉仕する「侍真」の職をいう。この籠山行は、天台宗では比較的有名な動の千日回峰行に対して、静の修行といわれ、籠山行に入るためには、まず好相行という礼拝行を行い満行後、戒壇院にて戒を受けて籠山比丘となり、十二年間の本格的な山修山学に入るものである。外界から完全に遮断された環境のもと、籠山僧は、伝教大師に食事を献ずるなどの日課のほか、坐禅や勉学、境内や道場内の清掃に明け暮れ、その準備期間から数えると約二十年もの長きにわたり、ただひたすらに祈りをささげるという、天台宗においても最も稀有な存在である。

主な著書:『覚悟の力』( 致知出版社 平成二十六年十月 )