令和8年(2026) 午
こうして皆様と新年をともに迎えられましたことに心より感謝申し上げます。

延暦寺長寿院 藤波源信大阿闍梨 「塞翁が馬」画・西村欣魚
本年は60年に一度という丙午ということで諸説飛び交う特別な年であります。
『魏志倭人伝』によると、倭国には馬や牛、羊などがいないと書かれており、考古学的には、日本で馬が飼われていたことを示す最古の証拠は、奈良県桜井市にある箸墓古墳の周壕から出土した木製輪鎧となります。歴史ロマン的に考えば、西暦266年から413年までの空白の150年と呼ばれる間に魏志倭人伝に出てくる邪馬台国がなくなり、代わりに誕生した大和時代(古墳時代)に騎馬文化が登場することとなります。誰がどこからどのように日本列島に馬を持ち込んだかはわかりませんが、それ以降、権力者の象徴として馬は君臨し、戦国時代には武田騎馬軍団に代表されるように、軍事的には頂点を極め、江戸時代には荷役、明治には馬車とつい最近まで日本人の生活の中に馬が重要な役割をすることになったことは間違いありません。

仏師・彫刻家 伊原栄一 「双耀の天馬」
60年前の丙午、女性は専業主婦が多かった。この現代、昔男性の職場といわれた建設現場をはじめ男性しかいなかった職場にも女性の管理職が登場し、工芸の世界でも大活躍する作家がSNSを席捲しています。ともかく人類史上例がないほど環境が激変しているのです。「丙午(ひのえうま)年の生まれの女性は気性が激しく、夫の命を縮める」という説が脈々ありますが、果たしてこの現代にもあてはまるのでしょうか。もともと日本列島にいなかった馬が上陸したことにより、日本人の生活環境は激変しました。それは常識を覆すレベルであったはず。昔からの言い伝えは大事にするべきだと思いますが、取り巻く環境がまるで違う現代世界において進化をどうとらえるかを考える必要があると思います。それをNPO法人文華舎的に考えますと、人類資産として慣習にとらわれず才能のある人間へいかに活躍の場を提供できるかということになるかと思います。

漆絵作家 田中清貴 漆絵「うま」
NPO法人文華舎では男女の別けなく年齢の別けなくキャリアの別けなく、激変する環境下でがんばっている人を応援させていただきたいと思っています。まだまだ小さな場しか提供できていませんが、皆様のおかげをもちまして徐々に大きくしていただいていること、まことにありがたいことと感謝しています。

刻字作家 深田虹心 「文華舎」
このご作品は刻字作家の深田虹心先生からいただいた「文華舎」の表札です。私の撮影の能力が乏しいのでうまく反映されていませんが、彩色された井伊家の橘の家紋がキラキラなんです。どうすればこんなことになるのやら、本当に素晴らしい技術です。かしこまり。
まだまだ未熟な当法人でありますが、素敵な方を応援したい気持ちに偽りはありません。
今年もがんばります。本年もどうぞよろしくお願いします。
NPO法人文華舎 代表理事 細溝高広